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令和6年度 SAWACHIエンジニア講座 データ可視化編の講師を務めました



プロンプトXは2024年7月3日に行われた、「令和6年度 SAWACHIエンジニア講座 データ可視化編」の講師を務めました。


SAWACHIについて

SAWACHI(IoPクラウド)は、高知県が提供する農業IoTプラットフォームです。今回の講座では、SAWACHIのデータ構造に焦点を当て、IoTに最適化された設計について解説しました。


SAWACHIの強み


多様なデータ統合


SAWACHI最大の強みは、様々な種類のデータを扱える柔軟性^1です。



例えば、以下のような様々な種類のデータを一元管理しています:


  • 環境データ(温度、湿度、日射量など)

  • 設備データ(ボイラー使用量、換気装置の稼働状況など)

  • 画像データ(ハウス内の作物の生育状況など)

  • 気象データ(地域の天候情報)

  • 生産者データ(作付け情報、収穫量など)

  • 市況データ(農産物の価格情報など)


これらの多様なデータを統合することで、農業生産の全体像を把握し、より効率的で持続可能な農業を実現することを目指しています。


データモデルの構造



SAWACHIでは、収集したデータを以下の5つのモデルに分類して管理しています


  • 生産者属性モデル

  • 市況モデル

  • 出荷モデル

  • 気象モデル

  • 圃場環境モデル


モデルは、以下のような階層構造を持っています:


Asset(モデルの基本構造物)
 └─ Property(Assetを構成する具体的なオブジェクトと値)
     └─ Attribute(AssetとPropertyの属性情報)

例えば、圃場環境モデルにおいてセンサーからの温度は以下のようなパスで表現することが可能です


/kochi/stmprj/ST000001/field_1/env_stmprjsensor_1/temperature

この構造により、プロジェクト、圃場、センサー、測定項目といった詳細な情報を体系的に管理し、関連付けることができます。


データの関連付け


様々なデータを関連付けることで、以下のようなメリットがあります:


  1. 総合的な意思決定支援: 関連付けられたデータを基に、指導員は複数の要因を考慮した上で、より適切な意思決定を行うことができます。

  2. 精密農業の実現: 地理属性や気象データとの関連付けにより、圃場ごとのきめ細かな管理が可能になります。

  3. 予測精度の向上: 複数の要因を考慮することで、収穫量予測や病害虫発生予測の精度が向上します。

  4. 効率的なデータ分析: 構造化されたデータモデルにより、必要なデータへの効率的なアクセスと分析が可能になります。


AIや外部サービスとの連携



SAWACHIのデータモデルはAIや外部サービスとの連携を見据えて設計されています^2。生産者属性モデル、市況モデル、出荷モデルなど、様々なモデルが用意されており、多角的な分析が可能になっています。


主に2つの重要なAIエンジンの開発が進められています^3


生理生態AIエンジン


  • 作物の光合成、蒸散、葉面積、開花数、着果数などの生理的プロセスを可視化

  • 1週間後の収穫量予測などの情報を生成


営農支援AIエンジン


  • 生理的情報を基に、収量や収穫日の予測、環境の最適化などの営農支援情報を生成

  • 農家の改善策の効果を分析し、優れた技術を抽出して共有


実用性を重視した設計


SAWACHIの特筆すべき点は、その実用性にあります。現場のプロフェッショナル、具体的には以下の方々が実際にシステムを利用し、フィードバックを提供しています:


  • JA(農業協同組合)の指導員:農業技術や経営に関する専門知識を持ち、農家に直接指導を行う専門家

  • 高知県の普及指導員:新技術の普及や農業経営の改善指導を行う県職員


これらの現場のプロフェッショナルがSAWACHIを実際に使用し、フィードバックを提供することで、理論だけでなく実践に基づいたサービスの改善が継続的に行われています。例えば:


  • データの表示方法や操作性の改善

  • 現場で特に必要とされる機能の追加


詳細分析画面の活用


SAWACHIの備える「詳細分析画面」を使って、温湿度のグラフ表示などを行いました。詳細分析画面はタイル画面分割やフィルタリングなど強力で汎用性の高いデータ閲覧ツールですが、SAWACHIのデータ構造を理解することで十分にその機能を活用することができます。




受講者の反応


受講者の皆さんからは、SAWACHIの先進性や汎用性について多くの質問や意見が寄せられました。高知県の農業分野で培われたこのプラットフォームが、他の産業分野におけるIoTの発展[^2]にも大きな示唆を与える可能性について考えを深めることができました。


結びに


SAWACHIが示す方向性は、まさにIoT時代のデータ管理の理想形です。今後も、SAWACHIの発展と、それを通じた日本の農業のデジタル化に貢献していきたいと思います。


最後になりましたが、熱心に参加してくださった受講者の皆様、そして開催にあたりご尽力いただいた高知県の関係者の皆様に心より感謝申し上げます。


参考リンク


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